花文字を pLaTeX2e 上で利用する
Access Count : 46717 ( since Aug 1, 2000 )

<--TeX のページへ戻る


花文字とは数学でしばしば用いられる書体で, 旧ドイツ文字の筆記体とでもいった感じの文字である.(下図の R )

562x234(6271bytes)

これは AMS フォントのオイラーフラクトール (\mathfrak{}として利用) やカリグラフィック (\mathcal{} として利用) とは一風変わっている. 確率論や測度論等でしばしば見受けられる書体である.


以下に設定の履歴を簡単に示します.

※最近の teTeX パッケージ(及びそれをベースにしたアスキー pTeX)には, ここで紹介しているフォントとスタイルファイルが標準で含まれているようです.

(1) フォントの入手

CTAN の fontsrsfs というディレクトリ があるので,その下のファイル群(*.mf等)を入手する.

(2) スタイルファイルと FD ファイルの作成

花文字を利用するマクロとして \mathscrを用意するためスタイルファイル mathrsfs.styを用意し, このフォントを利用するための FD ファイル ursfs.fdを用意する.

私はこれらを ここから 入手させてもらいました.

(3) TFM ファイルの作成とコピー

% mf
This is METAFONT, Version 2.718 (Web2C 7.2)
** (<--- この状態で
         &cm \mode=localfont; input rsfs10
       と入力すると rsfs10.tfm がカレントディレクトリに作成される.  
同様にして,rsfs7.tfmrsfs5.tfm も作成する.

これらを TFM ファイルが格納されているディレクトリにコピーする. ちなみに私の環境では,/usr/local/share/texmf/fonts/tfm 以下になっているので,ここに rsfs というディレクトリを追加して,その下にコピーしました.

(4) METAFONT ソースのコピー

*.mf ファイルを適切な場所にコピーする.

私の環境では /usr/local/share/texmf/fonts/source 以下になっているので,ここに rsfs というディレクトリ を追加して,その下にコピーしました.(注:ls-R データベース ファイルを利用している人は,mktexlsr コマンドを忘れないように!)

(5) 花文字の利用

前述のスタイルファイルと FD ファイルを TeX がロードできる場所 (分からなければとりあえずカレント)に置いて,次のような TeX ファイルを作ってみましょう. (sample.tex

\documentclass[12pt,a4j]{jarticle}

\usepackage{mathrsfs}

\begin{document}

 花文字 : 

$\mathscr{ABCDEFGHI}$ \\
$\mathscr{JKLMNOPQR}$ \\
$\mathscr{STUVWXYZ}$

\end{document}

これを pLaTeX2e にかけ,xdvi でプレビューすると次のようになるはずです.

723x331(10038bytes)


(C) 2000 - 2004   Hirohisa AMAN <aman @ cs.ehime-u.ac.jp>