第 1 回 - フィルタ,シェルスクリプトの基礎(1)

[9/16, 2009 H.Aman]
67x27(1669bytes) 【例題 1】

はじめに

「標準入力からデータを読み込み,標準出力へ結果を出力する.」 というのは,最も基本的なソフトウェアの構成である. C プログラムでいえば, 「入力に scanf 関数を用い,出力に printf 関数を用いる」 というかたちがこれに相当する. このかたちのソフトウェアを フィルタ という.

フィルタは,一見すると地味で何の工夫もない 「つまらない」 プログラムに見えるかもしれない. GUI を使った対話的なプログラムの方がいくらか上級で価値のあるものと思われるかもしれない. しかし,フィルタには プログラムを組合せて使うことができる という大きな利点がある. 実際,多くの Unix コマンドはフィルタとして動作可能なように設計されている. 上級者はそれらをうまく再利用し,また, 時には自作のフィルタプログラムもうまく再利用して 少ない労力(工数)で高い生産性 を実現している.

今回は,フィルタの組合せという利用方法について学ぶ.
また,それに関連してシェルスクリプトの基礎についても学ぶ. シェルスクリプトを活用すると, コンピュータ上での さまざまな作業を容易に自動化 できるといった利点が生まれる.